化学薬品を取扱う際の一般的注意
薬品を使用する前に
まず、その薬品に関する予備知識が十分かどうか、もう一度思い返してください。特に、次の項目についての認識が必要ですので、使用する薬品の性質をノートに記録し、かつ記憶しておかなくてはなりません。
- 沸点
- 引火性
- 酸化性
- 酸・アルカリ性
- 爆発性
- 生理的毒性:急性・慢性毒性、致死性、血液毒性、神経毒性、発ガン性等を指す
- 公害源としての可能性
予備知識が不足すると思った場合は、「教育研究における 防災安全の手引」、「製品安全データシート「SDS(Safety Data Sheet)」」、「メルクインデックス」、生理的毒性や公害性については「公害と毒・危険物」が参考になります。※製品安全データシート「SDS」は、薬品を購入した業者から直接、あるいは、日本試薬協会(http://www.j-shiyaku.or.jp/Sds)などから手に入れることができます。それでも疑問点が残る場合は、専門家に問い合わせるなどして、疑問をできるだけ解消しておかなければなりません。できれば、その薬品の生体内における作用機構や、化学構造(例えばニトロ基、アミノ基、アルキル基を有するもの)とその生理活性との関連や公害源としての環境循環や生体蓄積について、関心を持つよう心がけることが重要です。
※「SDS」は、国内では平成23年度までは一般的に「MSDS (Material Safety Data Sheet(化学物質等安全データシート)」と呼ばれていましたが、国際整合の観点から、GHSで定義されている「SDS(製品安全データシート)」に変更されました。
薬品を使用する時
予備知識に基づいた慎重な取扱いが必要です。取扱い中は全神経をその薬品に集中し、雑談をしたり、他の考え事をしたりすることは絶対にあってはなりません。そして常に危険と対面しているという自覚を持ちましょう。
薬品の使用を終える時
実験者としての常識や倫理に忠実であったかどうかの反省が求められます。後始末と整頓等は言うまでもありませんが、同時に、使用した薬品の量を正確に記録し、実験室における薬品の管理にも協力するよう心がけてください。近年、大学内で毒劇物を用いた事件が連鎖的に発生し、社会に大きな不安を与えています。薬品類の使用・保管に対しては徹底的な管理が必要です。使用した薬品を廃棄する時は「廃棄物・廃液処理」のページの「実験廃液・排水の取り扱い」に記されている事項に従ってください。